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史 環 ブ ロ グ 2010年10月

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2010.10.29 (Fri)

加藤ミリヤと後漢をつなぐ不思議な化粧史

ご無沙汰してます。
体調も戻り、ようやく仕事も復帰することができました。

今サイトの方も再開準備中です。
11月からは再開したいなぁと思っています。


そんな折
つい今日の朝、ニュースで『女性のメイクが変わってきている』という特集を目にしました。

今まさに旬のメイクは“困り顔メイク”であると。

どうやら加藤ミリヤの表情を真似たメイクのようなんですが、
眉を短く心持ち八の字のように描き、目を潤んだように見せるメイクなんだとか。

メイクの専門家によると、これは現代の不景気で不安定な社会情勢の中で、
“守って欲しい”という女性の心理が表れたもの
だとか、
やや信憑性の薄そうなお話をされていましたが…

しかししかし。

このメイクが21世紀の現在に流行っているというのが
私にとっては甚だ面白いことなのであります。


少し前から何となく手すさびに描いている絵がありまして、
実はその題材となっている女性、
後漢時代の加藤ミリヤとも言える女性なんですね。

 
  孫寿_製作途中
  (※制作途中の孫寿画)


 《追記》
  完成しました。
  孫寿



どういうことかと申しますと、この女性。
名を孫寿と申します。

後漢の王室の外戚であり、政治家でもある梁冀の妻で、書けば色々あるのですが、夫との面白エピソードはこの際そっと脇に寄せておきまして…

この孫寿、この時代の所謂ファッションリーダー的存在であったと言われます。


得に有名なものに、彼女が考案したメイクである
眉を八の字に描いて愁いを帯びたように見せる「愁眉」(しゅうび)
そして目の下をぬぐって赤くぼかし、泣きはらしたように見せる「啼粧」(ていしょう)
というものがあります。


そう、現代の“困り顔メイク”そのままなんです。


また、髪を束ねた髷(まげ)を少し傾けて乱れ髪を演出する)「堕馬髷」(だばけい) でもって
セクシーさを強調させます。

そして笑い方は
歯が痛んでいるかのようにかみ締めて笑う「齲歯笑」(うししょう)

トドメに、
腰(というか恐らくお尻でしょう)を左右に振って歩く)「折腰歩」(せつようほ)
という歩き方でしなを作って歩きます。

「折腰歩」に至っては、後代、中国を代表する三代人体奇形術の一つとも言われる纏足文化の匂いを感じますし、何より現代の女性のシンボル、ハイヒールを履いた女性の腰の動きを連想させますよね。
そう、セックスシンボルと唄われた、かのマリリン・モンローを彷彿とさせる女性の動きを、紀元後間もない後漢の孫寿は体言していたのです。

そしてメイクは加藤ミリヤの困り顔、うなじに垂れた乱れ髪…


足元すら覚束ない手弱女の如きか弱い女性の姿
2000年前も今も、女性が男性の目を意識して女性らしさを作る様は同じといえるのです。


とても興味深くはありませんか?



私も勿論、お化粧は大好き…というか、生きるのに必須でございますw
そしてもういい歳ですので、自分の顔を映えさせるメイクも
一通りわかっているつもりでおります。

そんな私も、孫寿に倣って、たまに気分でこの“困り顔メイク”を実践しておりました。
孫寿ほど著しいものではないですが、所謂この種のメイクは
心持ち女性らしさを出したい時には使えるのですよ。

そんな女性ならではの気づきのある、とても興味深いニュースだったので
今回こちらで取り上げてみました。


それではこのへんで。


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22:08  |  服飾史、化粧史、風俗史など
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