中国史絵を描く上で、いろんな図版や図典を参考にしていますが
(活用しきれているかはともかくとして…)
今回はこの図典をご紹介します。
『中国歴代服飾図典』(曾慧潔 編/江蘇美術/2002年6月発行)
古代より時代順に、服飾の変遷を様々な絵や写真で楽しむことができます。
その数の豊富さ、時代範囲の広さから、中々重宝している図版。
がしかし。
んが、しかし。
出典が殆ど明記されてなーい。比較的出典がちゃんと書かれているのはなぜか古代の文物。
出典というか出土地は明記されているのに
なぜか図の出典が明らかにされていない。

(隋唐五代服飾)

(明朝服飾)
ね。
いつでも出典を気にしているわけではないのですが、
記載されていないとものすごく気になってしまう。
有名なものも非常に多いのに。
例えば上の隋唐五代服飾の参考ページ左上に載っている、子犬と戯れる婦人図は
「簪花仕女図」。
下の明朝服飾の右上に描かれている立っている婦人図は
「燕寝怡情図」。
いずれもそれぞれ唐・明の女性の服飾を説明する上では代表格として取り上げられることも多い(と思う)くらい有名な絵なんですが、なんでか出典が空白なんですよね。
これなんかは清朝のものになりますが


(清朝服飾)
ツッこみたくなる箇所満載!上の左上の画は
「香妃」。
浅田次郎の『蒼穹の昴』にも登場したので比較的よく知られている逸話のアレですね。
乾隆期に目覚しい才覚をを発揮した、イエズス会宣教師
ジュゼッペ・カスチリョーネ(郎世寧)の描いた絵です。
これ、もっと全身あるんだよ…なんで切っちゃうの…
ちょっと涙目になりました。
下なんかツッこみどころ満載です。
写真です。
清朝の皇后たちです。
上段は
あの西太后、下段は
あのラストエンペラー溥儀の正室・婉容と第二夫人の文繍。恐らく一般の人だって顔知ってるほどの著名人です。
それくらい書いておいてもいいんじゃないかと右手でツッコミが出そうになりますが
ここまでくるとご愛嬌かもしれません。
有名すぎて、いや書かなくても分かるだろ?という暗黙の了解?
なんて疑えるほど。
いろんな意味でさすがです。
・・・と色々ツッこみたくなる箇所はありますが、それはそれとして
結構なボリュームで収めている図や絵の数は本当に素晴らしいもの。
比較的安価で手に入ります。
白黒画像のみでで出典がないというところが玉に傷ではありますが、そんなことは気にせず
中国の服飾の変遷を目で楽しみたい、と思う方にはとてもオススメの一冊です。